燗をつけてくれるお店


鍵屋

(かぎや)
110-0003
東京都台東区根岸3-6-23
(03)3872-2227 JR線 鶯谷菊正宗,大関
櫻正宗のみ
土,日,祝定休.17:00〜21:00. 味噌田楽

 鶯谷駅北口で待ち合わせて,言問通を渡る.         
適当に路地へ入り込むと,袋小路で目的の場所にたどり着けない.
言問通まで戻って,根岸3-5と3-6の間の路地へ入りすぐ左に曲がる
と右手に鍵屋があった.                   
 結局,鶯谷駅南口からの方が近いと実感した.        

 店に入ったのは7時半頃だったので,ちょうど帰る客もいてほと
んど待たされずにカウンターに座れた.            

 まず,お酒を頼むと「甘口,辛口?」と聞いてくるので,まず 
「辛口」と答える.大関の一升瓶から二合徳利に正一合の酒がつが
れ,銅壺におさまる.ひとしきりして,程良くぬる燗についた酒が
でてくる.辛口と言っても,きっちりと甘味の出る温度に燗がつい
ていて,ほのかなエステルの香りが気持ちよく鼻をくすぐる.  

 先付けの大豆をつまんでいるうちに,とり皮焼きがでて,薬味と
共に冷や奴がでてきた.次に「甘口」を注文すると,櫻正宗が熱め
の上燗ででてきた.燗冷ましに成ってもだれない旨さに感動する.
灘に有って甘口を醸す蔵に思いを馳せながら,もずくと味噌おでん
を頼む.最後に「菊正宗」を注文すると,徳利が熱くて持てない程
の温度ででてきたが,酒は熱燗の温度であり,冷めないための工夫
であろうか.                        

客もほとんど引けて店仕舞いも近そうなのでお愛想をお願いした.
カウンターの向こうでずっと会話を聞いていたのか,主人が「ソム
リエさんですか?」と訊ねてきた.              
「いやあ,ただの燗酒好きですよ」と言って話がしばらく続いた.
勘定は一人3000円程で,帰り際に紙にゴム印で押した店の名刺をい
ただき,マッチもいただいた.                
更に,「貼るところ有るかなあ」と言って,入谷朝顔まつりのポス
ターを渡された.                      

全てに満足して,鶯谷駅南口へと通じる階段を昇った.     

               (1999年6月3日,燗10)

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